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日本舞踊坂東流の家元で、歌舞伎界の新リーダーとしても期待されていた10代目坂東三津五郎（本名、守田寿＝もりたひさし）さんが21日午前2時3分、すい臓がんのため東京都内の病院で死去したことが23日、明らかになった。立ち役、女役、男役、何でもこなせた実力派の歌舞伎俳優の早すぎる急死に、歌舞伎界にも大きな衝撃が走っている。三津五郎さんは13年9月に早期発見とされていたすい臓がんの手術を受け、昨年4月に仕事に復帰し、闘病前と変わらぬ存在感ある演技を披露していたが、同9月の定期健診で肺に転移が見つかり、12月に予定されていた主演舞台を降板し、治療に専念していた。

歌舞伎人気を一緒にけん引してきた故中村勘三郎さんの死の影響もあり、自分の経験と芸を若手歌舞伎俳優に仕込んでいきたいと本人も意気込んでいただけに、無念の死となった。公式ホームページには、怪我の功名とも言うべき、ゆっくり過ごせる日々を楽しむ様子も記載されており、復帰が待ち望まれていた。

関係者の話では、今年1月末にインフルエンザに感染し、肺炎も併発したため、都内の病院に緊急入院。それでも一時外出するなどして、自身が家元を務める「日本舞踊　坂東流」の名取試験の立ち会いやNHK　BSプレミアム「美の壺」（27日放送予定）の収録を行い、17日に容体が急変するまで仕事を行っていたという。

三津五郎さんは歌舞伎だけではなく、コーヒーのCMやドラマ、映画に出演し、幅広い役を演じていたことでも知られ、吉永小百合さんや役所広司さんなど過去に共演した大物俳優からも悲しみのコメントが寄せられている。

私生活では2度の結婚を経験しており、元宝塚の寿ひずるさん（60）と離婚後、フジテレビアナウンサーだった近藤サトさん（46）と再婚した際には、三津五郎さんのことを寿さんから近藤さんが奪った「略奪不倫婚」と芸能マスコミをにぎわしたこともあった。

外部リンク

坂東三津五郎公式ホームページ
http://www.kabuki.ne.jp/mitsugoro/