2011-03-24 11:00
その他
被災を乗り越え21日に挙式―「生きてるだけで十分」
被災したカップル、復興を願い結婚式
東日本大震災で被災したカップルが21日、結婚式を挙げた。佐賀県出身の会社員井上昌洋さん(34)と妻の佳菜さん(28)は、転勤先の宮城県仙台市で大地震と大津波に襲われた。命は助かったものの、車は津波に飲み込まれ、アパートも大きな被害を受け、今後の生活は見通しがつかない。そんな中で故郷に帰省し、21日にずっと心待ちにしていた結婚式を挙げることに。すべてを失った人もいる中で自分たちは恵まれていると複雑な心境を隠せないが、復興を願い新たなスタートを切った。「生きている」信じる気持ちが2人を再会に導く
佳菜さんはパート先の仙台港内の工場で被災。座っていられないほどの揺れの後、同僚から“10メートルの津波が来る”という情報を伝えられ、急いで3階建ての建物に逃げ込んだ。そのすぐ後に津波が押し寄せ、目の前で走っていた人や車を次々に飲み込んだという。その時、夫の昌洋さんは仙台港から5キロ離れた宮城野区の勤務先にいた。携帯の充電は夕方切れてしまい、港に向かう道は通行止めとなっていたため、互いに連絡が取れないまま不安な一夜を過ごした。
2年半前に籍を入れ、21日に地元佐賀で結婚式を挙げる予定だった2人。離れ離れになった間、昌洋さんは“絶対生きている”と強く思ったという。震災から24時間後の12日夕方、自宅近くの鶴巻小で2人は奇跡的に再会。その後、車で3日を過ごした後、山形空港から羽田を経由して15日に福岡に戻り着いた。
震災が2人の心に残した傷跡は大きい。しかし、その震災を乗り越えて結婚式を挙げることができた。「いつ戻れるか分からないけど、生きてる。それだけで十分。一緒なら乗り越えられる」―2人の強く結ばれた絆と深い愛とともに、復興を願うウエディングベルが鳴る。
外部リンク
佐賀新聞
http://www.saga-s.co.jp/news.html
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